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あああああ!!!!!猫の日間に合わなかったあああああ!!!!!TT
そんなわけで今回は日記じゃありません。
友人のつぶやきから発症した妄想です。
カカイルです。
畳みますので苦手な方は進まないで下さい。
「にゃあ」
アカデミーでの勤務後、受付業務を終えて帰宅するとアパートの部屋の前に「にゃあ」と鳴く生き物が居た。
自分はこれとよく似た生き物を知っていると思う。因みに猫ではない。
体長:181cm。体重:67.5kg。毛色:銀。生息地:火の国木の葉の里。性別:オス。職業:忍。名称――
「何をされてるんですか、カカシさん。」
名称:はたけカカシ。人間だ。
しかし、自分の知るカカシとは少々、いやかなり様子が違う。
本来耳がある場所には彼の髪と同じ色をした獣の様な耳が生えており、自分の物と同じ支給服から覗く手足はこれまた耳と同様体毛に包まれ、拳を握った様な形をしている。
「にゃあ。拾ってイルカ先生。」
正直、素通りしたかった。
以前、元生徒の中忍試験推薦の際もめてからなんとなく距離を置いている人物。家を行き来する所か行き会った時挨拶をする位の間柄でしかない。
しかし、その生き物はドアの前に座り込み、首にはご丁寧にも「拾ってください」と書かれたダンボールを下げていた。
意図は全く見えないが見なかった事には出来そうにない。
「いつからいらしたんですか?寒かったでしょう、とりあえず中に入って下さい。」
「拾ってくれるの?」
そっと溜め息をついて再度声をかければ、上目遣いで尋ねて来る。
「どうせ拾うまで退かないつもりでしょう。仕方が無いから拾ってあげます。ほら、ドアが開けられないから退いてください。」
「にゃあ」
額当ては無いものの左目は前髪で隠れ、顔の中で唯一晒された右目を弓形にして嬉しそうに鳴くと、立ち上がって進路を空けた。
* * *
今日は2月22日、猫の日だそうだ。聞くまでもなく鳴き声の語呂合わせだろう。
通りすがりで耳に入って来た情報にふと、先ほど受付で見た笑顔が過ぎった。あの人は捨て猫を見たらどうするのだろうと。
拾うだろうか、見なかった事にするのだろうか。
もし彼に拾って貰えるなら、きっと大事にしてもらえる。膝の上に乗ればあの温かそうな手でなでてくれるのだろう。
任務帰りでくたびれていた。
木の葉崩しの後、部下達は自分の下を離れて行き、事実上7班は解散となった。
自分も体が空いた以上上忍としての任務が割り当てられる。人手不足も相俟って高ランク任務の梯子をさせられてクタクタだ。
季節はまだ冬で気温も低く、人恋しくなっていたのだと思う。
そんな時、いつもなら遊郭へ行き一時の温もりを求めるのだが、今日は何故かあの人に拾われたいと思った。
夕飯がまだだというイルカは同じく夕飯を食べていない自分にも食事を用意してくれた。
イルカを待ち伏せる事しか考えていなかったから食事の事なんて忘れていた。
「すみません」と言えば「飼い主ですから、餌の世話をするのは当然でしょう」と笑うので「にゃあ」と返した。
更に、手を獣の形に変化させてしまい箸が持てない事に気が付くと変化を解けと言うでもなく、苦笑いしながらも食事を口元まで運んでくれさえした。
ただの思いつき。突然押しかけた相手にここまでしてくれるなんて思ってなかった。
こんな事をしておいて何だが、どちらかと言えば嫌われていると思っていたから。
「それにしても、器用な事しますね。それ被り物とかじゃないでしょう。」
途中、猫舌に味噌汁で熱い思いをしながら夕食を食べ終え、食器を持って台所へ立ったイルカがお茶を持って戻ってくる。
「ええ、部分変化です。」
玄関先では呆れていた様子だったイルカも諦めたのか、今度はこの奇妙な姿に興味を持ち始めたらしい。お茶を啜りながら卓袱台の向こうからじっとこちらを眺めている。
「触ってみます?」
「えっ、良いんですか?」
「イルカ先生、考えてる事顔に出すぎ。気になるんでしょ?どうぞどうぞ。こっち座って。」
家主を動かし、隣りに座らせるとその膝に頭を置いて寝転んだ。
「わっ、カカシさん!?」
「いいじゃない、あんた俺の飼い主なんだし。拾ったなら可愛がってよ。にゃあ。」
「あんな強引な拾われ方しておいてよく言いますね。」
呆れた顔をしつつも頭を撫でる手は優しく、任務で張った気も緩んでいく。
「わー、肉球ぷにぷに。舌まで猫舌にして、凝ってますねえ。うわ、尻尾も動くんですか。」
猫毛が気持ちいいのか、あちこち楽しそうに撫で回している。多分この人は今触っている物が「はたけカカシ」である事を忘れているのだろう。
上から降ってくるイルカの声と時折触れる手に反応して動く耳もお気に召したらしい。
上向きに体勢を変えて見上げると、緩んだ表情のイルカが見える。
「カカシさん?」
少し体を起こして顔を寄せる。
ざらついた舌でべろりと頬を舐めるとイルカは「ぎゃあ」と声を上げて飛び退く。
「なっ、なっ・・・何をするんですかっ!!!」
「ひどいなあ。あんまり撫で回すから誘ってんのかと思って。」
「誘っ!?そんなわけ無いでしょう!!」
頬に手を当て、顔を真っ赤にして慌てるイルカに両手をついて歩み寄ると、その分彼は後ずさる。
「先生も言ってたけど、これ被り物じゃないから触覚はあるんだよね。ちょっと煽られちゃった。」
「あ、あの。俺っ。。。」
壁際まで追い詰めると肉球の付いた手で顔を挟む。胸で呼吸をして見上げる姿には嗜虐心を刺激される。
「ね、飼い主でしょ?ちゃんと面倒見てよ。」
囁くと今度は息を吐き、ごくりと唾を飲み込んで睨みつけられた。
「そうですね。気は進みませんが飼い主の務めですからね。」
「イルカせんせ――」
「去勢をしましょう。」
「え?」
予想外の言葉が飛び出した。
「ご近所の迷惑にならない様に去勢は必要かもしれません。」
「いや、ちょっと。冗談だよね?」
「いえ、本気です。」
一転してニヤリと笑うイルカに、今度は自分が飛び退く番だった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
座ったまま微笑むイルカに股間を守り後ずさる自分。
「すいませんでしたっ」
悪ふざけが過ぎたと平伏して謝る。
「解れば良いんです。さ、お風呂に入って寝ましょうか。」
にっこりと微笑むイルカに促されて風呂を済ませ、その夜は同じ布団にもぐって眠った。
暖かな両腕に抱きしめられ、布団にくるまれるのは至福の時だった。出来る事ならずっとこうしていたい。
だが、窓の外に式の鳥が飛んでいる。これからまた任務に出なければならない。
後ろ髪を引かれる思いで温もりから自分を引き剥がし身支度を整える。
「にゃあ。行ってきます。」
一夜限りの温もり。何も聞かずに付き合ってくれた事に感謝しつつ、夜が空ける前にイルカの部屋を出た。
次会った時にはまた他人に戻ってしまうだろう関係が寂しい気がした。
それでもこの温もりを知ったからこそ、それを守る為に戦える。
「ありがとう、イルカ先生。」
今回はこんな強引な事をしてしまったけれど、いつかちゃんと話をさせてね。
Fin...?
――――――――――――――――――――
初めてカカイル書ききった・・・・・・?
すっきりしない?ええそうでしょうともだってこいつらまだくっついてない。
脳内では3部作とかになってたんだもん終わるわけが無い。
でもきっと形には出来ないと思う。
集中力激低ですから私。
無理矢理まとめた感は有りますが楽しく妄想させていただきました☆
愁ちゃんネタ提供ありがとうvV